「観覧車物語―110年の歴史をめぐる」/福井優子/平凡社

 おそらく日本に他にはいないのではないかという、観覧車研究家の集大成。なんか書店ですごく気になって一目惚れし購入したのですが、サイズがサイズだけに積ん読状態が続いていたのですが、近距離乗り物乗り続けの仕事の間に読んでしまおうと思って。これが意外と速く読めてしまった。著者がアメリカ短期留学時に知り合った++ところから、気がつけば世界の観覧車を辿り、日本の歴史の定説をも覆す発見までするというおまけつき。百貨店の屋上にあったようなこぢんまりととしたものから、全長100mをも超す今どきのランドマークまで。研究者などではなく、本当に好きだからお書きになられたんだろうという、雑学集でもデータ集でもない、観覧車への愛が十二分に感じられた好著です。
 そういえば、私のなかでの観覧車といえば、天保山大観覧車やHEP FIVEの観覧車も思い出があるけど、一番古いのはなんば高島屋の屋上にあるちっちゃい観覧車だったなぁ。子どもの頃、この観覧車とその周りを走っていた新幹線型デザインのミニモノレールが大好きで…といろいろと思い出していました。って話を書こうとしていたら、高島屋の屋上観覧車、去年の秋で営業終了してしまっていたとか。通りがかってもモノ自体はあるので、まさかもう動いていないとは思いもせず、実際乗るのは恥ずかしいだろうけど、もう一度動いている姿を見ておきたかったな(ちょっと郷愁感)。思い出がまた一つ過去帳に消えていく。

観覧車物語―110年の歴史をめぐる

観覧車物語―110年の歴史をめぐる

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