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 読んだ本 「ロゼッタストーン解読」/レスリー・アドキンズ,ロイ・アドキンズ/新潮社(新潮文庫)

この本は、正確には「ロゼッタストーンを解読した男たちの記録」だ。ロゼッタストーン(ヒエログリフ)の解読方が記載されているのではなく、どういった経緯でジャン=フランソワ・シャンポリオンが解読するに至ったかの、かなり泥臭い人間模様を書きつづっ…

 読んだ本 「「教育七五三」の現場から」/瀧井 宏臣/祥伝社(祥伝社新書)

なんか最近、近所のお子さんが夜12時過ぎとかに起きているのを耳にし、最近の子ども達は遅くまで起きているのだなという状況と、仕事先でよく聞く小学校の学級崩壊などの事例の話とが、この本を読んでどこかでつながったような感じ。最近話題の「早起きをす…

 「おれ明日からヴェネツィア行ってくる!*1」な2冊

「迷宮都市ヴェネツィアを歩く カラー版」/陣内秀信/角川書店(角川oneテーマ21)」 「AQUA」(1)〜(2)・「ARIA」(1)〜(12)/天野こずえ/マッグガーデン(BLADE COMICS) ―――前略、お元気ですか? つーか、ヴェネツィア行きたーい! たまたまヴェネツィア…

2008年1〜2月の本あたり

「照葉樹林文化とは何か―東アジアの森が生み出した文明」/佐々木高明/中央公論新社(中公新書) 『照葉樹林という言葉が今や一般的』といわれるほど一般的な言葉か?と思うけど、文化人類学の一つの位置づけとして、日本でも身近な"温帯常緑広葉樹林"を中…

 ひがし大雪アーチ橋群・タウシュベツ川橋梁見学ツアー

1987年に全線廃止された旧国鉄士幌線は、もともと大雪の森林資源と十勝北部の農作物の運搬を主とし、1937年〜1939年に造られました。この士幌線は、ピーク時には十勝平野を縦断した急行列車*1もあったが、逆に末期には国鉄再建法による特定地交線指定前に早…

 「大大阪モダン建築」/橋爪紳也 (監修) /青幻舎

大阪が東京を凌ぐほどの、最も活気があった「大大阪(だいおおさか)」と呼ばれる時代を、現存する近代建築から見ていこうとする本書。大阪のモダン建築の特色と見所が綺麗な写真と易しい解説でまとめられていて、専門知識が無くとも読みやすく、確かに推奨…

 「挑戦!競馬革命」/角居勝彦/宝島社(宝島社新書)

話がちょこちょこ飛ぶのが若干読みにくいが、Blogを読んでいるという感じか。昨年、ウォッカで牝馬としては64年ぶり(戦後初)に日本ダービーを制したことで、競馬界で一躍時の人となった角居調教師の”考え方”が記されている。一見革新的にも見える厩舎のシ…

 「ときどき意味もなくずんずん歩く」/宮田珠己/幻冬舎(幻冬舎文庫)

何が面白いのかよくわからないところが面白いのか。冒頭の表現が唐突だったり、何言うてるねん的な表現があったり。VOW*1とか金朋*2発言みたいなものかとも思うけど、なんというかよくわからないけどつぼにはまって面白いとかいう感じ。旅をしているような話…

 「スケッチブックパーフェクトワークブック」/小箱とたん(監修)/マッグガーデン(BLADE COMICS)

終わった。コミック単行本初読のときは、まさかちょっとシュールなまったりギャグまんがだと思っていたのが、こんなほんわか癒し系アニメになるなんて想像もしていなかったのだけど、終わって見ればどっちも視点や方向性は違えど、とてもいい番組だったなと…

 「ニッポンの大学」/小林哲夫/講談社(講談社現代新書)

受験業界などで良く活用される指針の一つ、朝日新聞社『大学ランキング』の編集統括として活躍されている著者が、さまざまなランキングを紹介。ざっと見では、まじめな「ネタ本」?という感じではあるのだけど、ただ単に興味本位ではなく大学というものに入…

 「理由あって冬に出る」/似鳥鶏/東京創元社(創元推理文庫)

よかった。透き通った哀しさというような感じ。最後の収束の展開が予想していなかったので。理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)作者: 似鳥鶏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/10/31メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 147回この商品を含むブロ…

 「神様が用意してくれた場所」「神様が用意してくれた場所2 明日をほんの少し」

/矢崎存美/ソフトバンククリエイティブ(GA文庫) 他にもいくつか書かれている作家さんみたいだけど私は初読。たまたま2の方を先に手にとって、1が手に入ってからやっと読んだとこ。「なんとなく不思議」という世界観を持つ地味で物静かな感じの話だけど…

 10月の本

「「おたく」の精神史―一九八〇年代論」/大塚英志/朝日新聞社出版局 (朝日文庫) ちょっと仕事の関係で読んだ。著者の実体験に基づく事も含め、おたく元始の考察自体はまあ面白いとは思うけど、1980年代と括ることに意味は? わかりやすいからかな。1980…

 「神々の国の首都」/小泉八雲, 平川祐弘(編集)/講談社(講談社学術文庫)

小泉八雲の出雲滞在時の見聞記。その中に出てくる場所は、とても今の日本からは想像できない、どこか異世界のよう。この時代、この場所に滞在したからこそ、ハーンはこれらの文学作品を残せたのだろうなぁ。なんかハーンの故郷・アイルランドの妖精の物語を…

 「からっと!」(1)/渡辺祥智/マッグガーデン(ブレイドコミックス)

見た目正当派メガネ委員長で魔女っ子ネタなのに凄く馬鹿っぽいとか訳わからないけど小ネタ盛りだくさんなギャグマンガコメディ? 個人的にはバカっぽいのが面白くて好きですが。でも別にこのマンガでメガネっ子に萌えたりはしません。からっと!(1) (BLADE CO…

 「神様のメモ帳」/杉井光/メディアワークス(電撃文庫)

ニート探偵の少女とニートたちに巻き込まれるニート予備軍、そこにいろいろなトラブルが大きな一つの渦に巻き込まれていく、そのときニートたちは…、という感じのお話。一種の安楽椅子探偵ものとか思ってもいいんでしょうかね。どうも、もともとの定義とも世…

 「砂糖の世界史」/川北稔/岩波書店(岩波ジュニア新書)

ちょっと仕事でこういう話に触れることがあったので、もともと気になっていた本だからちょうどいいと手に取ってみたのだけど、今まで読まなかったのが損したと感じるぐらい。個人的には世界史は苦手でしたが、こういう話を読むと奴隷史であるとか嗜好品の広…

 「荒野へ」/ジョン=クラカワー, 佐宗鈴夫(訳)/集英社(集英社文庫)

わからん。単純に「世間を捨て、自然界に生活を求めた男が、不慮の事故で餓死してしまう」という話といえるのか。なぜすべてを棄てて荒野に旅立ったのか、何に絶望したのか、荒野にどんな謎の魅力があったのか、そしてなぜこの本は全米のベストセラーになっ…

 「凍える島」/近藤史恵/東京創元社(創元推理文庫)

ミステリの超王道『孤島』もので、今更なのにここまで食いつかさせる筆力は凄いと思う。現代風のアレンジが効いて(といっても10年近く前の話だけど)、この結末は予想できなかった。うーん、だめだ、こういう恋愛の形は理解できない…自分とは違う世界の話だ…

 「砂の器」/松本清張/新潮社(新潮文庫)

このところ時々松本清張が読みたくなる。この前木次線沿線まで行ったというのもあって、ひさびさに「砂の器」を読んだ。昔読んだように思ってたけど、この結末に記憶がないので読んでなかったのかなぁ。松本清張氏と言えば「社会派推理小説」であり、現実感…

 「となりのネネコさん」/宮原るり/新書館(ウンポココミックスDX)

Webを先に知ってるとあとから本になってもまず買わないけれど、本になったWebサイトから入ったら本もそのサイトも好きになるってのはどうしてだろう。そんなわけでこれもたまたま本から気に入って読む/見るようになったWebコミックさん。うん、愛らしいよネ…

ひさびさに感想メモなど−「美しい都市・醜い都市」/五十嵐太郎/中央公論新社(中公新書ラクレ)

タイトルを見て、真っ先に「美しい景観を創る会」の「悪い景観100選」の話を思い出したのだけど、読んでみてなかなか楽しい指摘が。結局「美しい」「醜い」って主観なんですよね。本人の感性や識者の年齢層など、で「美しい」「醜い」を「いい/悪い」の判断…

 「香港のおさんぽ―迷い道をパノラマで!」_旅先の本棚(2)

香港の街角巡りの際に持ち歩いてた。香港のなかでもごちゃごちゃとした裏道などをパノラマ写真で紹介している。ただ通りの写真が並んでいるだけでなく、結構些細な街角のオブジェやら雑貨、コラム情報などがちりばめられ、観光地でなくても「ちょっと行って…

 「ミミズクと夜の王」_旅先の本棚(1)

とりあえず泣いた。 発売当初から、かなりいろいろと話題になっていたので、ネタバレを避けるのが大変でした。まあ読んでみるとあんまりネタバレとか気にしなくても読後感は変わらなかったようにも思いますが。電撃小説大賞受賞作、と言われるとなにか違和感…

 「クイズ文化の社会学」

まあ、きっかけは著者の一人が元ゼミの先生だったから、なんですけど。おかげで購入後1年以上積ん読かれてましたし。でも、読んでみるとこれはこれでユニーク。テレビ自体の考察などは数あれど、そのなかでもクイズ番組だけに焦点を置き社会学的に考察された…

 「クリスマス上等。」と三浦勇雄の上等シリーズ、エトセトラまで。

なかなか面白いと紹介されて読み出したのだけど、結局「クリスマス」「バレンタイン」「ホワイトデー」ぐらいをリアル時間あたりでやっと読めた。さすがに「ジューンブライド」までは引っ張りたくなかったのでね。とか著作リスト見てたら、一冊読み損ねてい…

 「教艦ASTRO(1)」/蕃納葱/芳文社(まんがタイムきららコミックス)

ダメ先生マンガとでもなるのかな。小坂俊史の「せんせいになれません」級のダメ教師が全員女性で萌え系って感じ?ってなんか最近すべてを「萌え系」でごまかそうとしてませんか私スミマセンそんなことないんですよ。いうても1〜2年前の萌え4コマとかって、雑…

 「まりあ・ほりっく(1)」/遠藤海成/メディアファクトリー(MFコミックスアライブシリーズ)

百合少女っけ女装少年の真相見ちゃってもう下僕っさってなマンガ。表紙のかわいさ(萌え絵?)にだまされたらあかん、(主人公の女の子が)可哀想なギャグだ、と。「百合趣味少女×女装ドS少年」という帯の言葉でネタばれさせていいの?とか思ったけど、細か…

 「カラヤンとフルトヴェングラー」

カラヤン・フルトヴェングラー(そしてチェリビダッケ)に焦点を当て、カラヤンがベルリンフィルの首席指揮者になるまでを巡る権力闘争・人間模様を的確に*1描いたもの。なかなか興味深かったとはいえ、こういう話が面白いのはちょっと覗き見趣味的かなとか…

 「可変思考」/広中平祐/光文社(光文社文庫)

著者は"数学のノーベル賞"と称されるフィールズ賞を受賞した数学者。数学者としてだけでなく、社会での数学振興や教育のあり方などに積極的に関わられており、いろいろと画期的な試みを実践されているようで。ちょっと仕事の関係でこの方の数学方面でない功…