十勝六番勝負番外編「特急 とかち」とJR石勝線


 所用のおかげで本末転倒なことに昼過ぎには競馬場を出る羽目になってしまったりして。
 13時40分発、札幌行特急とかち8号。高速化対応されていない*1、編成の片方が高運転台が特徴のキハ183系という車両。ただ、内装などはリニューアルされていて結構快適です。北海道はその立地条件から、冬場になると鉄道輸送量が伸びるのだそうですが、このとかち号も時刻表上では5両のところが7両編成、すれ違うスーパーおおぞら号という列車などは10両編成で走っていました。時間的に指定席は比較的空いていましたが、盛況なのは良いことです。

 降車駅、追分までは約2時間10分。終点札幌までで約3時間。最速のスーパーおおぞらだと帯広〜札幌間で2時間10分程度。在来線の高速化で、航空路線が撤退したのは珍しいんじゃないかな。という原動力になったのが、このとかち号が走る新得〜南千歳間の石勝線。夜行や夜遅くの列車や、車で狩勝峠や石勝峠を抜けたことはあっても、この線を昼に抜けるの初めてかも。まあ2時間もあれば本の1冊でも、と思っていたけれど、なんというか景色が美しくて本を読むどころではなくなってしまいました。この沿線は北海道の最奥部を貫くため、無人地帯が多い*2。確かに、実際、駅の廻りですら家がほとんど見られない。じゃ、何があるかっていうと、「平野」「森林」「渓谷」と「トンネル」、まあ大自然ですわ。線路に沿った防雪林、駅ホームの雪かき部隊、谷の下の方に見える旧線路跡、水面が凍った上に雪が積もり、とび池のようになった川、雪に埋もれた踏切と一直線に伸びた道路、突然の吹雪、etc. 厳しい環境があるからこそ、自然は雄大なんだ、なんてこじゃれたコメントはどうでもいいですか、そうですか。しかし、このところ北海道といえばたいていレンタカーだなぁと思いつつも、車の方が便利なのは確かだけど、たまには北海道を列車の旅もいいなぁ、なんて気になりました。あれ、おかしいなぁ、とかち号ぐらいでこんなに長くなる予定じゃなかったのに…。

*1:正確には振り子列車じゃないぐらいの意味と思ってください。

*2:昔は、1日1往復の普通列車しかこない駅(新夕張占冠間の「楓」駅)などもあったのですが、それも駅ごと廃止になったり。また路線の一部は特急列車しか走っていない箇所(新夕張新得間)もあり、特例でその区間は乗車券だけで特急に乗ることができることになっています。それだけ区間利用者はいないということなのでしょうね。