「タワー 内藤多仲と三塔物語」


 大阪・本町のINAXギャラリーで「タワー -内藤多仲と三塔物語- 展」というのをしていると友人に教えられ、ちょっとのぞきに行ってきた。で、なかなか興味深かったのでブックレットを購入。
 東京タワー、名古屋テレビ塔、そして大阪・通天閣と、3大都市に並ぶタワーが、ほぼ同時期に一人の設計者によって作られたということは初めて知りました。設計者は「耐震構造の父」「塔博士」といわれる内藤多仲(ないとう たちゅう)。なんとなく通天閣は塔という感じがしない(じゃぁ何かといわれても困るんですが)ので、東京タワー・名古屋テレビ塔と兄弟といわれることに違和感があったりもしたんですが、展示などから共通点や競い合っていた部分などが見えて、なかなか面白かったです。
 基本的に展示物はブックレットにも掲載されている(サイズはともかく)ので、後から何回か見返したりしていたのですが、建物の内装などはどうしても経年劣化が目立ってしまう(特にメンテナンスが充分でないところなど)けれど、パンフレットやグッズ類って、昔のデザインのものもユニークで味がある気がする。ものによっては今風のデザインより洗練された感じを受けるものも。良いデザインって古ぼけないんだろうなぁなどと。あと内藤多中の私物、ノートメモや、耐震構造理論を考察する基となった(らしい)旅行用トランクなどの展示は一見の価値があったと。
 しかし、建築当時の写真を見ていると、どこも廻りに高層ビルなどもなくそびえ立つ塔は、確かに怪獣が壊したくなるぐらい、スッキリとしていてほれぼれします。タワーというものの持つ、ちょっと懐古的かもしれないけど、存在感というか、人々の目を引きつける魅力を感じました。

タワー―内藤多仲と三塔物語 (INAX BOOKLET)

タワー―内藤多仲と三塔物語 (INAX BOOKLET)

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