ホーバークラフトの思い出


 日本で唯一、定期運行しているホーバークラフトが大分にあるということで、せっかくここまで来たのだからということで乗ってみた。別府からだと明らかに遠回りなのだけれど。
 って、そもそもホーバークラフト*1ってなによ?って話なのですが、定義としては『浮上して航行する水陸両用の乗り物』だそうで、船とも飛行船ともつかない奇妙な乗り物です。イメージとしては一応海の上を走るという感じですが。不思議な乗り物ですよ。ちなみに、私は初めてではなく、かれこれ20年程前、瀬戸大橋開通直前のJR宇高連絡船で使用されていた、引退直前の『とびうお』号に乗ったことがあり、これで2回目。あの当時のは確か50人乗りぐらいの小さな狭い船室だった印象しかなかったんですが、今回のは100人強乗れる大型機でした。100人乗りが大きいかというと、ホーバークラフトとしては大きいという感じ。あんまり大きくは造れない乗り物だそうですので。
 で、大分駅から連絡バスで約15分の大分基地(この名前がかっこいい)から、約30kmの距離を25分で結びます。もともと大分空港が別府湾をぐるりと廻った北側に位置している関係で、直線距離なら近いのにというルートを高速船より速いホーバークラフトで時間を短縮という夢のような企画。但し、お値段はその分それなりに高く、2,950円(うち急行料金920円という設定。急行便しかないのに)と、空港バスの倍近くする。そのためかどうか、パッと見どの便も空いていたような気がします。苦戦しているのかな、がんばってほしいですけど。
 おもしろい点は、海の上を走るのに、乗り場は地上にあること。これが一般の船と違うところ。タラップで乗船し、プロペラで進むところは飛行機そっくり。船体(というのか?)の下のびろーんと延びた部分(スカートという)がふくらんで、空気を吐き出し滑り進む。あんまり窓ガラスがきれいでなかったのが残念だけど、海の上はほんとかっ飛び状態。これは速いと感心してしまう位。実は結構うるさいけど。これで、もう少し大分基地が駅や繁華街から近ければな、おしいなぁ、などと思いつつ。ぼーっと海を眺めていると、結構あっという間に空港すぐ横の空港基地に着いてしまいます。うん、これは楽しいよ。

 日本でここだけ、というのも「それ魅力」ではあるのですが、もう一つここのホーバークラフトの楽しいところは、空港基地を空港ターミナルの横に設置するために、どういう経緯かわからないけど、航走路がS字カーブを描いているところ。乗っていても不思議な動きだと思いつつ、よくわからないなと思って航走路近くまで歩いていき、次の船?が来るまで待ち構えてみた。それがこの横の写真。
 なんていうか、横滑りしてる。いわゆるドリフト? 速度こそゆっくりしたものだけど、絶妙なハンドル捌きで、この運転技術すげえ! これもホーバークラフトの特性をうまく利用したものなんでしょうねぇ。ホーバークラフトの乗船とこのS字カーブ、乗り物好きにはホント必見です。

*1:Hovercraft(たぶん正確な読みは「ホバークラフト」)は商標で、一般名称はAir-Cushion Vehicle(ACV=エアクッション艇)なのだそうです_wikipedia参照