山梨リニア実験線試乗会でリニアくらべ

knyacki_j2006-03-22

 友人に「試乗会があたったので行かない?」と誘われたので、行ってきましたリニアに乗りに。リニアってあれですよ、JR東海が一所懸命宣伝されてるあの浮上式リニアモーターカーです。


 試乗会は一日に何度か行われているようで、展望広場へ着いたときにはちょうど客を乗せた車両が最高速で通過していくところでした。地響きのような低音から、やがてトンネルの奥から光が見えると、ドスンという勢いとともにあっというまに凄いスピードで目の前を通過していきました。なんというかあっけにとられるぐらい。

 上海リニアにも乗ったことがあるのだしと思って、せっかくなので2つのリニアを記憶とかwikipediaとか辿って比べてみた、以下に感想をまとめてみました。(なんでかというと単にうまくテキストが書けなかったからなのですが)

上海トランスラピッド(Shanghai TransRapid)>


▽ドイツで開発。
区間 上海浦東国際空港−龍陽路間(営業運転中)
▽総延長 約29.8km
 全区間高架橋。トンネルはなかったと思う。
▽乗車時最高速 430km/h(431km/h)
▽乗車時間 約7分20秒
▽スタートから最高速まで 約3分30秒
▽最高速での走行時間 約30秒
【過去の感想】
●基本的には常に浮上(約1cm弱)しているらしい。でも、発車時はわからなかったけど、停車時は一瞬沈み込んだような気がしたのだけど、気のせい?
●軌道は変形T字型コンクリート。モノレールの上部路盤を平らに伸ばしたような感じ。側面があんまり見えないので、見た目は横壁のないゴーカート道路みたい。
●車体は天井が低く、横に平べったい感じがする(横に長い分低く感じるだけかも)。VIP席で横2×2の4列、普通席で3×3の6列。乗車時は普通席だったのだけど、椅子は固定式(リクライニングもできない)。クッションは薄くてチョイ固め。
●最初は走り出したのがわからないくらい滑らかでした。でも加速は(山梨リニアに比べると)そんなによくないのかな(→よくないらしい)。両端駅付近に結構急そうなカーブがあり、そこで横にGを感じたりして。

<ジェイアール式マグレブ(JR-Maglev*1)>


▽日本で開発中。鉄道総合技術研究所鉄道総研)とJR東海
区間 山梨県大月市笹子町奥野沢付近−山梨県都留市朝日曽雌・車両基地付近(実験線先行区間
▽総延長 約18.4km
 ほとんどがトンネル区間。実際、景色らしいものが見れるのはリニア実験センターのある明かり区間約1kmくらい。その区間も最高速では8秒で通過するとのこと。

▽乗車時最高速 500km/h(502km/h)
▽乗車時間 約5分
▽スタートから最高速まで 約1分20秒
▽最高速での走行時間 約30秒
【今回の感想】
●常時浮上(約10cm)しているのではなく、停車時や低速時は補助車輪(タイヤ)で接地している。加速時、時速160km/hを超えるくらいで車輪を格納、減速時110km/h前後で車輪が出て接地する。この辺りはよく聞いていると音でわかる。
●軌道は白い板状のコイルがコの字型の側面に敷き詰められている。なので、横から見ると車体の半分ぐらいは壁で見えなかったり。底面は車輪が走る走行路があるので、見た目は新交通システムそのもの。
●車体の外見は、半円に近いぐらいで小さく見えたけど、車内に入るとさほど狭くも感じない。ただし2×2の4列だからかも。椅子のクッションはやわらかく、友人曰く「のぞみよりいい」とのこと。回転もリクライニングもしたけど、試乗会であんまりイス倒すのもなぁと遠慮してしまった。
●最初のうちは結構加速度を感じる。軽く座席に押さえつけられる感じ。でも飛行機の離陸時ほどでは全然ない。安定して走行しているときは食事もできそうだけど、今の新幹線みたいに立席で乗るのは発車時はきついかも。あと直接地面に接していないからか、揺れがふわふわっとしていて、普通の鉄道とは違った感じ。意外と揺れる。飛行機か船ともまた違ったビビビって感じの独特の揺れ、うまく固定して写真が取れない…。酔うとまではいかないけど。
●意外と音がうるさいなと思った。トンネル内走行だからかとか思っていたけど、実は走行音よりも電源として搭載されているガスタービンがうるさいのだとか。
●走行は全てコンピュータ制御だそうな。なので運転士はいないとか。ただ先頭に監視員はいるとかなんとか(これも新交通システムとそっくり)。
 

<両方に乗って。>

●山梨リニアは明かり区間がほとんどないので、乗ってしまうと外の景色を見て速さを感じるなんてことがし難い。上海リニアは全区間地上で、高速道路が併走する区間もあるので、対象物が見えるぶん速く感じる。
●500km/hや430km/hの速さに慣れてしまうと、速度を落とした200km/h前後でもものすごくゆっくりに感じてしまう。それでも新幹線並みだというのに。慣れって怖い。
●山梨リニアは『超電導磁石の磁界から乗客を守る』ためとかで、飛行機のようなボーディングブリッジから"搭乗"する。実験センターの搭乗口には2種類あったらしいけど、見た目ではそんなに違いはわからなかった。ちなみに、上海リニアは普通のプラットホーム。一応柵(なぜかガラス製)とホームドアがあったかな。なのでホームからみんな記念写真撮りまくりです。まあ、全く仕組みが違うからなんだけど、こう比べると上海リニアがものすごく適当に見える。
●どちらにせよ、外から見てると通過は一瞬。カメラで連写してもうまく撮れないくらい。
●乗ってるより、見てるほうが『凄い』と感じるかも。
●システム的にはJRマグレブの方が優れているのかと思うけど、トランスラピッドはまがりなりにも上海で実用化されていることは評価できるのかな(こういうのを優劣つけていいのかわからないけど)。でも、JRマグレブが実用化されないのは、技術の問題よりも莫大な費用や整備新幹線の絡みなどのようなのでしかたないか。ある種根が深い。いつか営業運転出来る時は来るのかな。
●上海リニアは普通席片道50元(2004年9月乗車当時)。山梨リニアは試乗会なので当然無料。実はそれ以外で比較すると、私の住んでる大阪からだと、交通費(もちろん定価ベースではないですが)も現地までの所要時間もあんまり変わらなかったりして。しかし、山梨って遠いなあ。
●とりあえず、雨降らなくてよかった。
●ちなみに、ITmediaによると、上海リニアでは430km/hでも携帯で電話やメールができるらしい。山梨リニアでも試してみようかと思ったけど、ほとんどトンネルで地上区間が10秒もない上に、持っていたのがPHSだけだったのであえなく断念。


 こんな感じかな。なかなか興味深い体験ができました。うーん、気が向いたら追記するかも…でも既に長文ですけど。

*1:MAGnetic LEVitation=磁気浮上、の略とのこと。転じて磁気浮上式鉄道のことも示すのだとか。