「紅茶工場」というホテル〜スリランカ・ヌワラエリヤ

knyacki_j2004-08-31

 スリランカ。イギリスの植民地として紅茶製造を求められ、今でも主要な生産品として質の高い紅茶は有名です。中国キームン・インドダージリンと並び、スリランカのウバ茶は世界3大銘茶の一つとしてあげられます。そのウバの産地から50kmほど西、ウバと同様にハイグロウン(高地栽培)ティーの産地として有名な、ヌワラエリヤという小さな街に行って来ました。
 ヌワラエリヤの中心地から車で20分の小高い山の上に、昔、紅茶製造の工場だった建物を改装し、ホテルとして営業しているところがあります。その名も"The Tea Factory"。そのままの名前ですが、今でも小さな工場を設けて紅茶生産をしており、朝早くには付近の茶園で茶を摘む女性の姿がみられます。というか、この街の周辺、車2時間ぐらい茶畑しかないような所なんですが。
 中は高原のリゾートホテル調に改造されていて、天井の高いG階(=グランドフロア。英国式なので1階の下に地上階がある。)にはレストランやパブ、スポーツジムなどがあります。ここでおもしろいのはエレベーター。もともと荷物運搬用だったのか扉が鉄格子の手動式。フロアのドアとエレベーターのドアを開け閉めして、それから移動階のボタンを押すと動きます。扉が開いていると動かないため、うっかり降りた後ドアを閉め忘れると、G階からボーイさんが走って閉めに来ます。これはなかなか不思議な感じ。
 部屋に置かれているお茶のセットは、さすが紅茶工場だけあって、ティーバッグでなく、リーフとティーポットのセット。産地・ヌワラエリヤのB.O.P.(ライトティー)とB.O.P.F.(ストロングティー)の2種類が置かれています。毎日いつでも自分で好きなだけ入れることができてご満悦。
 街に出て遊ぶにはちょっと離れすぎていて不便だし、隣室との壁が(元々の建物の都合上か)非常に薄く物音がよく聞こえることなどいくつかの難点もありますが、それを差し引いてもお茶好きとして、また緑の中のリゾートで休息するために、ここに来る価値はあったかなと思ってます。