商業茶の北限地、村上。


 新潟県村上市というところに行ってきた。もともとお茶の木というのは、適度な湿度が必要で温暖なところで生育されるので、北海道大沼や青森県黒石などでも栽培の記録は残されているけれど、基本的に東北地方以北ではお茶の生産は行われていない。そして現在、日本で商用にお茶を栽培している地域の北限がこの村上市
 さすがに街中に茶畑が広がる、ということはないけれど、ところどころ茶の木と思われる区画があったり、観光地図にも茶畑のある地域が示されている。街の名産品としての地位を築いているようです。せっかくなので、街の中心近くにある老舗茶商の九重園というところに行ってみた。なんでも、もともとこの村上の茶の木は、400年近く前に京都の宇治から持ち帰ったモノが元祖らしく、そのためかどうか、茶葉もどちらかというと茶葉が大きめで製茶も浅蒸し。冷茶の玄米茶を淹れてもらいながらコレクション(?)に加えるべく茶を選ぶ。そうこう話ししていると、「時間があるのならお茶工場を見学していきませんか」と声をかけていただき、店舗奥にある製茶工場を見せていただきました。ちょうど二番茶を生産している時期で、「うちは小さな工場なので、全自動でというわけにはいかないんです」との説明を聞きつつ、摘みたての茶葉から蒸し・揉み・ヨリによって荒茶に仕上がる過程を見てきました。小さな工場で堅苦しい手続きなどもなくアットホームに接していただき、今まで見た機械や手作業とはまた違う生産の過程を見ることができて、なかなか楽しかったです。