『依頼人は死んだ』／若竹七海／文藝春秋(文春文庫)

例によって連作ものなんだけど、読み終わって初出一覧を見たらびっくり。連載雑誌がまちまちで、最後の短編のみ書き下ろし。まあ、最後の章がなければ連作っぽくもないのだけれど、それでも最後に過去の短編が順につながっていく様はお見事です。また、主人公がシニカルでかつ憎めない、とても生き生きと感じられてくるのも魅力か。ただ、最後の短編に関してはちょっと意味不明であるというか、ミステリでなくホラー？のような感じも、するのがちょっと他の短編との違和感を感じてしまい残念な気がした。