ばんえい帯広競馬とソリを運ぶ機関車

knyacki_j2008-02-16


 先週、突然友人と話がまとまり、なぜか1年後に再訪ばんえい帯広競馬。今年からソフトバンクグループの支援で息を吹き返し、出かける直前には「帯広市のばんえい競馬、売上高の目標達成」なんてめでたいニュースも流れ。スタンドの内側も少し改装したのか、雰囲気がぐっと明るく。場内も昨年のようなせっぱ詰まった感はなく、今回は結構ずっと競馬に熱中していたかも。
 今回是非に行きたかったのが、普段は立入禁止のエリアを、係員の案内で見学できる「バックヤードツアー」。出走前の馬たちが並ぶ装鞍所でレース前の馬の様子などを見学できたり、スタート地点やコースの裏側から競馬を見られる、約1時間弱のコース。

バックヤードツァーの概要

<競走コース(通常)>
 (1)装鞍所〜馬体重の測定・馬の個体の確認・馬装・蹄鉄の点検・下見所への誘導業務見学
 (2)調教馬場〜遠方に厩舎を見ながら調教馬場を見学
 (3)ゴール地点〜騎手検量所・決勝写真タワー・橇輸送トロッコ見学
 (4)レース見学〜電光掲示盤前第2障害→ゴール地点
<スタンド業務コース(雨天時など)>
 (1)実況放送室〜出走馬紹介の実況見学
 (2)決勝判定室〜決勝判定業務の仕組み
 (3)スタジオ〜番組制作スタジオ見学
 (4)プレミアムラウンジ〜レース見学

http://www.banei-keiba.or.jp/topics/osirase-070929.htm

 出走直前の馬を間近に見るとサラブレッドより一回り大きい巨体に圧倒されたり、練習用の馬場と橇が広場に整然と並べられていたり、レースを普段と逆の視点から見学できたり、厩務員さん達の声援が意外と賑やかなことがわかったり、ととても楽しい体験だったのです。(向こう正面にいるとき以外は基本撮影もOK)


 その中で、半分すっかり忘れていたのですが、昨年来たときに気になっていた、レースコースの奥に見えるトロッコのようなもの。ばんえいならではの橇(重し含め約1トン)をゴールからスタート地点まで戻す重要な役割を果たす。自宅にあった本「知られざる鉄道」にここの話が載っていた。この軌道は、敷設するにあたって同時期に閉山になった北炭夕張坑からレールや車輪を譲り受けたもので、今でも車輪の軸受けには北炭のマークが残っていて貴重な存在なのだとか。この軌道が敷かれるまでは、レースに出ない現役馬がスタート地点まで曳航していたというので、さぞ重労働だっただろうと推測されます。なんかJRの機関車の縮小版のような感じで、色までなんとなく似せられているのは愛嬌か。残念ながら、間近にいるときは走行シーンは見ることが出来なかったのですが、橇と一緒に運ばれたいなぁという感じ。
 しかし、今更に運転席の写真をよく見ていると、この運転席、橇を引く貨車側を向いていて、デフォルトがバックだよね。<参考文献>「知られざる鉄道 リニアモーターカーからトロッコまで200選 (JTBキャンブックス)」/けいてつ協會/JTBキャンブックス