「荒野へ」/ジョン=クラカワー, 佐宗鈴夫(訳)/集英社(集英社文庫)

 わからん。単純に「世間を捨て、自然界に生活を求めた男が、不慮の事故で餓死してしまう」という話といえるのか。なぜすべてを棄てて荒野に旅立ったのか、何に絶望したのか、荒野にどんな謎の魅力があったのか、そしてなぜこの本は全米のベストセラーになったのか。わかるような、でもわからないような。この行動が理解できるほど私は純粋ではなくなったと言うことか。
 なんか、今度映画になるということだけど、映像で見ると何か意見が固定されてしまいそうだから見たくないな。たぶん、この「わかるような、わからないような」感覚を読後感として置いておきたいからだろうな。

荒野へ (集英社文庫)

荒野へ (集英社文庫)

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