「砂の器」/松本清張/新潮社(新潮文庫)

 このところ時々松本清張が読みたくなる。この前木次線沿線まで行ったというのもあって、ひさびさに「砂の器」を読んだ。昔読んだように思ってたけど、この結末に記憶がないので読んでなかったのかなぁ。松本清張氏と言えば「社会派推理小説」であり、現実感が推理小説の世界を変えてしまったと言われるほど*1だけれど、改めて読むと圧倒的な筆力と推理小説の枠に留まらない広範な多作さに驚く。一つ一つの密度の濃さのおかげで流し読みができなくて力が入ってしまって読むのに体力がいる気もする。無知な私は業病という表現にピンとこず思わず調べてしまいました。まあでも時代ってものがあるだろうなぁ。今の社会に置き換えて通用する話、ではないような気がするし、あの当時に当時を描写しているからこそ活きているのだろうとは思います。というか、初版って私が生まれるまだ前なんですよね。時代背景がピンとこないのも仕方ないか。

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

はてな年間100冊読書クラブ2 029,030/100+25>

*1:清張以前/清張以降などという言い方があるぐらい