旅先の本棚 その2
最近、「旅先の…」と名付けているのは、普段に大長編ものを読み進めていて他の本がさっぱり読めてないからなのです。
「サルまん 21世紀愛蔵版」上巻・下巻/相原コージ・竹熊健太郎/小学館
懐かしい…。うわぁ、スピリッツの連載も読んでたし、糞デカかった初版も揃えてたよ、昔。あの当時からばかばかしくてベタでクサいなぁという話が全然変わってなくて。いや、今も内容が新鮮だわ、というか当時から古くさいというか。後からでた新装版も長らく品切れになっていてずっと手に入らなかったので、ある種感無量。もうひさびさに笑わせてもらった。
やっぱり名作は残るねぇ。一時期、古書店で結構なお値段で取引されてたので、
あと、相原コージの「萌え」が見られるとは、なにか間違ってないか(笑)。ちなみに、月刊IKKIの噂の表紙*1は、結局怖くて書店で確認できませんでした。
<はてな年間100冊読書クラブ 060/100>
「"文学少女"と飢え渇く幽霊」/野村美月/エンターブレイン(ファミ通文庫)
まだ前作からの伏線は明らかになっていないようだけど。ちょっと強引に展開しているところもあるけれど、うまく過去の名作*2にシンクロさせて描かれているなぁと。とりあえず前作よりも素直に読めました。この人、どうも人の内面を描くのがうまいかな、と感じる。ぺらっとした人物像ではなく、ちゃんと人物が生きているよう*3。ちょっとこのシリーズ、興味が出てきた。もうしばらく読んでみよう。
<はてな年間100冊読書クラブ 061/100>
「夜のピクニック」/恩田陸/新潮社(新潮文庫)
高校生活最後のイベント、丸1日かけて歩き続ける「歩行祭」。何か大きな事件が起こるわけでも、激しい恋愛が語られるわけでもなく、ひと組の男女の心の内とともに、淡々と行事は進められていく。なのに、こんなに切なく、愛おしくなるのはなぜだろう。あまりにも月並みな言葉しか出てこなかったのだけど、こんなに高校生活が輝き、郷愁感を抱かせるなんて、恩田陸恐ろしい…。いろいろな切り口で懐かしさを湧き立てる達人だと思うけれど、いつも恩田陸の作品を読むと、大きく広がった話が「ああ、こういう風に収束するのね」と、最初の勢いほどの驚きはなく、なんとなく読めてしまうことが多い。でも、この作品は、本当に「何もおこらない」のに、だからこそその一歩踏みだした姿が本当に美しすぎて。思わず目が潤んで、自分でも驚いた。あんなに当時どうでもいいと思っていた「高校生活」がとても懐かしく、もう一度あのころへ戻ってみたくなる、のはなぜだろう。なぜなんだろう。
<はてな年間100冊読書クラブ 062/100>
「レナード現象には理由(わけ)がある」/川原泉/白泉社
ひさびさの川原泉教授のコミック。ちょうど「笑う大天使」が映画になるとかで(結局見に行けなかったけど)帯などにもいろいろ記載されてたなぁ。最近少し絵柄が変わってきたのがあまり好みではないのだけど、それでもストーリーはやっぱり読ませるなぁというところ。定番の学園モノ、それもボーイ・ミーツ・ガールものというところがいい意味で気にさせるところ。人は誰でもいろいろなこと(悩みだけというわけでなく)を抱えているということ、一人で悩んでいるよりいろいろと「出して」みるのもいいんじゃない?という感じかなぁ。あんまりうまく言えてないけど、まったり感+青臭さがいいのかな、と。
<はてな年間100冊読書クラブ 063/100>