ケーブルカーで谷底の温泉へ〜ホテル祖谷温泉

knyacki_j2006-07-03

 「あなたには感謝すべきなんでしょうね」*1
 BOSEの「Wave Music System」で例の電波ソング*2を聴きながら、部屋備え付けのマッサージチェアに横たわり、読書に耽りつつ、そんなことを思う。
 ここは四国有数の景勝地祖谷渓にある「ホテル祖谷温泉」の一室。友人A氏のご招待をうけ、四国漫遊中なのです。いや、ほんとよかった。最近、いい宿に泊まったりしてなかったから、雰囲気にのまれてしまってたりして。


 ここに宿泊した理由は2つ。一つは水曜どうでしょうの「どうでしょう本2」で、ディレクター2人が宿泊したとされているから。まあ2人は、さらに上を行く、展望露天風呂のある部屋に泊まったらしいですが。もう一つは個人的に、この露天風呂までのケーブルカーに興味を引かれていたからなのです。


 その筋*3の中では結構有名らしい、数少ない本格的な温泉専用ケーブルカーだとか。ホテルから、断崖絶壁にへばりつくようにして、ケーブルカーが延びている。

 温泉が遙か谷底に沸いているおかげで、昔は湯浴び後、汗だくになって本館に戻っていたらしい。こうなると余暇なんだか修行なんだかわからなくなりそうだ。高低差170m。聞くだけで気が遠くなりそうなのだが、それを1983年にケーブルカー敷設。今ので3代目らしい。乗車約5分。全長250m、傾斜42度とかなりきついことがわかる。

 ケーブルカーは1両式、片方はエレベータなどと一緒で錘が線路下についている。ドア・ホームドアとも手動式、きっちりとしめた上で、車内の「UP」「DOWN」のボタンを押すと動き出す。仕組みはエレベータと同じだ。最初は夜に乗ったのだけど、谷底のほのかな明かりにズンズンと降りていく様は、なかなか綺麗というか怖いというか。下の写真は、朝撮り直したものですが、やっぱり谷底!という感じがして、なかなかのスリルが。


 ちなみに、谷底にある温泉は、源泉掛け流し、水温が39℃で加熱していないと言うから、だいぶ温めだ。冬は「30分ぐらい、震えながら浸かる必要」があるらしい。たしかに体が温まる気がしなかったのだけど、でも15分を過ぎるくらいからじわじわと汗をかき出し、後は全然冷めなかったのだから、何となく不思議だ。水色はやや白っぽく、軽く硫黄臭がする。祖谷渓谷の奇観をつくりだす岩石の壁と木々に覆われた山肌。湯舟から広がる絶景に、しばし時を忘れる。


 なんというか、みんなに自慢したくなるような、でもあまり知られたくないような。秘境の名湯でございました。ケーブルカーも温泉もほんとイイ!、でも泊まってナンボですよ、ここ。