読んだ本 039〜

乃木坂春香の秘密」(1)〜(3)・以下続刊/五十嵐雄策メディアワークス電撃文庫乃木坂春香の秘密 (電撃文庫) 乃木坂春香の秘密(2) (電撃文庫) 乃木坂春香の秘密(3) (電撃文庫)

 なんともかわいらしいコメディだよな。そんなにアキバオタク系ってだけで迫害されるかなぁ、という疑問もあるのだけど、まあかわいいから許すという感じ*1。薦めてもらった友人曰く『ガトーショコラに生クリームとあんこが乗ったような感じ』。あー、なんとなくわかる気がします。
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「白菊」/藤岡真東京創元社創元推理文庫白菊 (創元推理文庫)

 バカミスって、読んでいるときの心に余裕があるかどうかで楽しめるかどうかがわかる気がする。今の気分的には、ギリギリというところ。予想を裏切るのが得意な作者だけに、かなり読みにくくゴロゴロと転がっていって最後「え〜!?ずるい!そんなオチ?」。作者はバカミスといわれるのはご不満だそうですが、では超常怪作ミステリーぐらいといったらいいのかな。力が抜ける楽しさでした。
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黒と茶の幻想」(上)(下)/恩田陸講談社講談社文庫) 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)

黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)
 たまたま鹿児島に行く日に購入し、離島の思い出を思い起こしているうちにこの本を読めたことは、本当に幸せだったと思う。読むまで屋久島がモデルになっていたなんて知らなかったので。
 大学時代の同級生4人が、卒業後十数年を経て旅に出る。テーマは、みんなが安楽椅子探偵となり“過去に埋もれた美しい謎を解く”ということ。4人の立場が入れ替わりながら、旅の中、とつとつと日常と謎が語られ、何事もないように旅は終わっていきます。それだけの話です。なのに、こみあげてきます。森は自分の中から何かを吐き出させ、受け止めてくれる。青春という青臭い時間を一緒に過ごしたという回顧と、雄大な太古の記憶が眠るY島(屋久島)の森の流れの中に、4人の中にある閉ざされていた過去がゆっくりと溶け、流れ出していく。懐かしさ、寂しさが心を揺さぶられます。
 読み終わったときに、『もう少し時間がたってから、学生時代の仲間とこんな旅ができれば…』、そして、『もう一度、屋久島に、縄文杉や森の息使いを味わいに行きたい…』と感じました。この本を学生時代などに読んでいては、こんな感傷は得られなかっただろうと思うけど、今それなりの年を経て、おそらくこう感じることは、この本を読んで満足したことの証だと思うのです。
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*1:いやー現実でも、これだけかわいいなら許されると思うんだけどなぁ