12月に読んだ本メモ、その1(続編あるかどうかは未定…)

博士の愛した数式」/小川洋子/新潮社(新潮文庫

博士の愛した数式 (新潮文庫)
 この前(id:knyacki_j:20051127#p3)早く文庫にならないかな、などと書いていたら、ちょうど同じぐらいのタイミングで文庫化されていたという。書店で見かけビックリしたのだけど、即購入し読みました。
 博士の境遇ととりまく状況はとても不幸に思えるにもかかわらず、なんと情景の美しくも暖かいものでしょう。読み終えた後、何か童話…いや、おとぎ話を読んでいたかのような爽やかな気分、そして熱いものを感じました。完全数28、そして蓄積停止する前の記憶を共有するキーワード、阪神 江夏。なにか小説として後付けされた創作に見えず、阪神の江夏は背番号28が故に伝説であり完全なる投手だったのだと思えてしまいます。細かい内容的なことはともかく、息も継がせず一気に読みきらせてしまうほどの勢い、読む価値は十二分にあったと思います。
 博士の言葉、「実生活の役に立たないからこそ、数学の秩序は美しいのだ」…。数学の知識が必要な本とは思いませんが、数学を理解できることでこの数式の美しさを共有できるのであれば、それはまたうらやましいことか、とも思います。
 願わくば、映像化されたものが「見れたものじゃない」ものにならないことを祈りつつ。


委員長お手をどうぞ」2/山名沢湖双葉社(アクションコミックス)

委員長お手をどうぞ 2 (アクションコミックス)
 委員長!いい!(無条件に)
 ま、それはともかく。だいたい委員長だから萌えるとかいうのではないしなぁ。
 山名沢湖のぶっ飛んだファンタジーワールドが存分に楽しめて、最後学級委員長再登場で話がまとまってきていたのがいいなぁと思っていました。っていうか完結したのか。もうちょっと続いて欲しかったなぁと思う反面もうネタがないか。今巻はどの女の子も元気だなぁと。
卒業アルバム委員長の話が良かったです。


「ほんにゃらごっこ かりあげクン」(40)/植田まさし双葉社(アクションコミックス)

かりあげクン 40 (アクションコミックス)
 今年で25周年!累計売り上げは1500万部!4コマ界では老舗中の老舗です。なんで画像が未登録なんだAmazon!ヒマなヤロに失礼だろ!

 まあ、それはともかく(定番過ぎてマンガの中身はそんなにわからないという話ではある)。かりあげクンといえば、いまさらですが先月末コンビニで見つけたコレにびっくり。『「かりあげクントリビュート増刊」漫画アクション12/28増刊』とは! ンモー!なんだこれー!と思って帰って調べるとエキサイトブックスにレビューが。
「江口寿史、臼井儀人、高口里純、こうの史代、田中圭一が描く『かりあげクン』とは?」
 翌日即買いに走りましたよ。人気作家30人(植田まさしを加えて30人なのだが、江口寿史が落とした(掲載分は再録)という説もあるらしい)の夢の競演、と最近カバーやらトリビュートやらインスパイヤだかが流行っているとはいえ、これだけのメンバー(でも実際のところ4コマまんがファン以外にはわかりにくい面子なんだろうなぁ)を揃えているとは流石です。皆が様々な思い入れを詰め込んだ30通りのかりあげクン(決して全てにおいてかりあげ自体が主人公でないところがまた!)が見れて、コレ魅力。双葉社やってくれてます。