世界の競馬の聖地。NewMarket Racecourses/the July course


 17世紀、競馬をこよなく愛したイギリスの国王、チャールズ2世がサラブレットの育成をはじめたことから、英国競馬の中心といわれるようになった街、ニューマーケット。2つのコース*1とスタンドを持ち、2000mの直線のみでレースができる*2という、桁外れな規模のコースが2つもあるなんて、もうどんなとこだと。


 ケンブリッジから2両編成のディーゼルカーで20分。屋根もないホームが一つだけぽつんとあるニューマーケットの駅へ。田舎の住宅が数件あるだけで、おとといのレイタウンより何もない。競馬場行きの送迎バスが列車に合わせて走っているけど、市街地に行きたかったのでパスし、歩いて5分ほどで市街地にでると、ミルリーフを輩出したナショナルスタッドや世界最古の競馬組織ジョッキークラブ、国立競馬博物館など、いかにも競馬の街の佇まい。もちろん競馬博物館を見学。ダービーやセントレジャーなどの名門レースの歴史から、競馬に関する各種資料まで。とくに障害レースの最高峰・グランドナショナルのついての記述が面白かったです。で、その後街を彷徨いながら、観光案内所の表記を見つけ、競馬場への行き方を聞く。さすがに歩いては無理のようで、中心地のバス停から送迎バスがでているとのこと。案内表記も何もないバス停で不安になりながら待つこと15分、さっき駅で見かけたバスがやってきた。助かった! もうこれだけで勝ったような気分になりつつ、バスは列車で来た方向へ戻りつつ、右手にローリーマイルコースのスタンドを見ながら約10分ほどでジュライコースの駐車場へ。こりゃ歩けんわ。



 何の気なしに、一番近い入口に行くと、どうも雰囲気が…と思っていたらメンバーズエントランスだった。入れる?と聞くと、普通に「18£」というので、せっかくなのでメンバーズエリアに。入って直ぐがパドック、奥の方にスタンドが見え、その奥にコースが。このコースが桁外れ。結構アップダウンの激しいコースは、スタートどころか奥の方もさっぱり見えず、スタンドの上からカメラの望遠ズームでやっと点のように見えるぐらい。そりゃ2km先だもんなぁ、とは思うけど規模が尋常じゃないよ。競馬場の雰囲気も、一昨日のレイタウンと違い、ちょっとこじゃれたこーんなお帽子をかぶった(←ぜんぜんわかんねぇ)ドレスアップしたご婦人や、ステッキをもった紳士風のおじいさんなど、気合入った人がたくさん。もちろん広場で子どもと遊んでいる家族連れなどもいるのですが、これぞ紳士淑女の祭典という雰囲気。特別、重賞の日とかでもなかったんだけど、さすが格式ある英国の由緒ある競馬場だけあるな、と感心。ここからは真剣に競馬モードに。


 いろいろ迷うとすぐに時間がなくなるので、今回はtote馬券のみで勝負。1Rは間に合わず、2R外れ、3R外れ…4R、3度目の正直とプログラムとにらめっこし馬連単…やっとヨーロッパ初勝利!6£が25£に! これに調子を良くし、その後も地味に本命ながら5R、7Rと勝ち、何とかトータルで入場料以上は稼ぎ出しました。日本でも最近さっぱりなのでこんなん久しぶり。さすがに交通費までは無理でしたが、心の中では歴史的勝利(笑)。結局、列車の都合で最終8Rの1つ前で競馬場を出て、送迎バスがちょうどいなかったのでタクシーでニューマーケットの駅まで。途中、ロータリーの真ん中には、行きには気付かなかった馬の銅像が。タクシーから思わず撮影。勝つと余裕ができますねぇ、なんて分かりやすいんだか私。

*1:1000ギニー2000ギニーが行われるRowley Mile Racecourseと、夏開催用のJuly Racecourseがある。

*2:Rowley Mile Racecourseの方。July Racecourseは全長3400mの逆"く"の字型コースで、直線だけでも1800m分はある