アイルランド紀行(実質)第1日。

この日の予定。朝7時にダブリン・Houston駅に集合。Irish RailのRailtourを利用して、一気に西の端・アラン諸島へ。


 そんなわけで、眠い目をこすりつつヒューストン駅の指定受付場所に。派手な黄色のジャンパーを着た人がいるけど、周りに参加者らしき人は…と思っていたら、今日の参加者は3名とのこと。バスツアーじゃない公共機関を使うツアーのおかげで、催行中止にもならず助かります。7:25発予定の一歩間違うと近鉄特急のようなインターシティは、何かトラブルなのか遅れで8時頃の出発。10分も走ると一気に田園地帯になり、黒ヒツジやら牛が放牧されている中を、遅れを取り戻すでもなくトコトコと走り、約3時間でアイルランド島を横断し、アイルランド西部の中心都市Galway(ゴールウェイ)まで。



 そこからシャトルバスで30分強、国内線というかアラン諸島行き専用のConnemara空港。空港というより飛行場という表現がぴったりな、こぢんまりとした掘っ立て小屋然の事務所の前には10人乗りプロペラ機、その名も"BN-2 Islander"が2機。チェックイン時には体重が量られ、乗客の配置バランスを考えて載せるらしい。さすがにこんな経験は初めてです。オマケに指定された配置場所はパイロットの隣、つまり最前列コパイ*1席。ちゃんとハンドル?もついてるし、乗ってる間中触りたくてうずうずしていました。
この飛行機が何ともいい加減で、よっこらしょって腰を上げるがごとく飛んでいく。ええっ、そんなんでいいの?ってぐらい。おまけにちゃんと誘導路ついてるのに、めんどくさいとかいう感じで草むらを抜けて滑走路へって無茶苦茶だ。見えないところで大変なのかもしれないけど全然そうは見えないよ?


 まあそんなこんなで約10分、Aran IslandsのInishmore(インシュモア)到着。送迎バスで中心部(といっても土産物屋2件にパブ・レストランが並ぶ程度)、そこからツアーバスで党内を回ります。ちょこちょこっとあちこち行ったんですが、なんと行ってもここ最大のみどころはDún Aonghasa(ドゥーンエンガス)というケルト以前の先史時代の砦の遺跡。



 ここは、丘の上に半円型の石積みが残っているのだけど、何よりもすごいのが砦からの風景。麓から細い道をてくてくと15分ぐらい、そこに広がる景色は何とも表現しようのない断崖絶壁。

 どんよりとした天気も相まって、荒涼とした雰囲気は『世界の果て』とでもいうべきか。絶景というほかに言葉がない。恐ろしく幻想的な風景に、しばらく放心して大西洋を見つめてしまいました。


 少し遅めの昼食をとり、再びプロペラ機とシャトルバスでゴールウェイ市内へ。帰りのインターシティまでの約2時間強の自由時間、ふらふらと街を探索。途中で疲れたのでスーパーの食料品売場をひやかし、フードコーナーでサンドイッチと紅茶のお約束。結局ダブリン・ヒューストン駅に帰ってきたのは、ほぼ定刻の21:20頃。ツアーの人たちとはあまり会話もできなかった(主に私の英語力のなさのせい…)けど、嫌な顔一つせず過ごしてもらえて感謝です。「Have a nice trip !」と別れました。なかなか楽しい1日目だったと思います。

*1:副操縦士のこと