この夏の2冊。その1
8月前半に呼んだ本の中から。
「軍艦島の遺産 風化する近代日本の象徴」/後藤惠之輔・坂本道徳/長崎新聞社
軍艦島の遺産―風化する近代日本の象徴 (長崎新聞新書 (015))
- 作者: 後藤惠之輔,坂本道徳
- 出版社/メーカー: 長崎新聞社
- 発売日: 2005/04
- メディア: 新書
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軍艦島といえば、海底炭鉱、最盛期には東京の9倍もの人口密度を誇り、廃鉱後そのまま廃墟になった無人島、ぐらいにしか知識はなかったのだけど、住んでいた人にとってはほかと変わらぬ一つの街でありコミュニティであったのだということを、改めて教えられる感じ。軍艦島自体を取り上げる書籍は数あれど、「軍艦島」ではなく「端島」の一面を知ることができる大事な著書だと思う。第4章「軍艦島学」・第5章「軍艦島を世界遺産に」では、少し強引な展開など気になるところもあるのだけれど、日本の近代史を語る上で重要な証拠である端島の遺跡(現在は廃墟と化しているが、立派な近代遺跡であると思う)を、何らかの形で保存してほしいと切に願う。世界遺産登録というのは一つの保存例の形とは言えるだろうけど、実際に世界遺産に登録されなくとも、広く内外の人に保存してほしい遺産として知られるといいな、と思います。