茶芸館「阿治擂茶」で擂茶を飲む。(台北市市民大道)

knyacki_j2005-02-20

 「阿治擂茶」という茶芸館で擂茶を飲む。そもそも擂茶とはなんぞやという話ですが。
 擂茶とは、もともと古代の中国で飲まれていた茶芸。台湾には18世紀頃に客家族によって持ち込まれ、一時期廃れていたのが最近になって栄養価ある健康ブームの一環で注目を集めるようになったらしい。それがどんな飲み方なのかというと。
 注文すると、巨大なすり鉢とすりこぎ。すり鉢には茶葉(烏龍茶かなにか青茶のよう?)とピーナッツ、ごまなどのお茶請けが入っていて、これを一生懸命にすりつぶすモノの本には「粘り気がでるくらいに」と書かれているけど、そんなにごりごりにするのはつらいです(でも、実際、店の人にもう少しすり潰すよう催促された…)。一人で飲むときは相当の根性が必要かも。複数人と行くのが正解かもしれません。そして、このよーくすり潰したお茶請けに、緑茶ベースの粉を加えてよく混ぜます。混ざった粉を、ポットで出された緑茶にコップに移して混ぜ、最後に爆ぜた玄米をトッピング(この店のオリジナルらしい)してできあがり。お茶は抹茶のように濃い緑色のどろっとした液体になり、ほのかにきな粉のような香りがし、先に混ぜた粉による飲んだときのざらっとした食感?とまったく他とは違う独特の、しかし癖はなく、なにか懐かしくなるような味。これを何杯も飲むと、おなかもふくれてきていっぱいになってくる。なんでも、すり潰したモノは乾物、あとはお茶があれば良いということで、旅行時の携帯用食事がわりとして利用されたりもしたそうです。
 いまでも、この擂茶や客家料理を提供している店は台湾でもまだ数店しかないそうで、なかでもこの店は擂茶ブームの先駆けとも言えるそう。帰国日の空きの1時間ほどを利用してきたのですが、もっとゆっくりとこの店で時間を過ごしたい、そう思えるようなお店でした。もっとも、この店のおかげ?で、翌日まで右手首が使い物にならなくなってしまいましたが…。