名鉄・通称600V区間(岐阜市内線・美濃町線・揖斐線)に乗ってきた。


 今年度末での廃止がほぼ確定的となった名鉄岐阜市内線他2線に乗ってきました。乗ってみて思ったことは、もう無くなるべくして廃止になってしまうんだろうなーと。この写真がそれを象徴している気がします。
 言い出せばきりがないのだけど、たとえばでいくつか。まず、市内線で15〜30分のダイヤというのは致命的だと思う。市内線など「待たずに乗れる」が使命なのに、「待ってもこない」んだからお話にならない。並行して走るバスの方が本数も多く圧倒的に便利。また軌道線の停留所に島(ブロックなどでホームが造られている停留所)は一つもなく、安全地帯(道路にペンキを塗っただけ)には柵すらない。電車の乗り降りの度に車の列をぬって乗降するなんて怖くて。また交通マナーもすこぶる悪く思う。「軌道敷上車通行可」の標識が悪の元凶かもしれない。線路が敷かれてるのが不思議なくらいの狭い道路で、路上駐車はザラ、それをよけて止まるバス・タクシーが軌道敷にかかり電車の邪魔をする。電車を追い越して右折のために軌道敷上で平気で止まるし、道路が狭いからか単線になっている区間では平気で対向してきて電車を止めるし。あげく、おばはんが鳩を追って線路上に突然飛び出してきたときは唖然としました。なにしとんねん? あんなのでは、定時運行もままならないどころか、はっきり言って危険です。揖斐線〜市内線相互や新岐阜〜田神〜美濃町線相互での乗車で料金が路線ごとに加算されるのも何とかならないか。他社線ならともかく、自社のそれも同じ列車に乗っていて、線名が変わるごとに料金が加算なんてこんなひどいこともない。揖斐線末端区間(忠節−黒野間)や美濃町線(田神−関 間)などは、施設的にはもったいないとも思うけれど乗客減はいかんともしがたく、また市内線が無くなればお話にならない。しかし市内線の設備がひどすぎる。仮に広島・熊本レベルまで施設を整えようと思うと、あらたにLRTでも引いた方がいいんではないかと思うほどの金額もかかりかねない。岐阜市岐阜県警もさっさと廃止してくれた方がいいと思っているとしか思えない扱いを、名鉄側がここまで運行してこれたのが奇跡ではないかと思う。これほどまでひどいとは思わなかった。
 ほぼ存続は絶望的とのことですが、万策尽きたというか万策尽かせようもないのでは?という気もしました。なんだか昭和40年代のモータリゼーションの波を見ているかのようです。いつか「あのとき路面電車を廃止していなければ…」と考える時代も、岐阜にはこないような気がします。