『EXPO70伝説 日本万国博覧会アンオフィシャル・ガイドブック』/オルタブックス編/メディアワークス・角川書店

EXPO70伝説―日本万国博覧会アンオフィシャル・ガイドブック (オルタブックス) 万博ヲタ友人その2から拝借。不覚にも(?)こんな本が出ていたのは知りませんでした。やっぱり日本の万博といえば大阪万博(第1種とか特別博だとか言う区分はさておき)というのは、あの当時の国・国民を挙げてのお祭り騒ぎであったからかと。入場者数つくば博2033万人・大阪花博2300万人と比べてダントツの6421万人という数字が示すように、まだまだ日本に(娯楽などいろいろなものの)選択肢が少なかった時代を如実に表していると思います。テレビの世界で、「8時だヨ!全員集合」のような視聴率が50%を超えるお化け番組が登場したり、年末の紅白歌合戦を国民の3/4が見ていたり、というのと何か似ているような気が。だから、テーマがどうであるとか言うのとは関係なく、あの時代にあのような盛り上がりがあったのは状況的にみて必然であり、逆に今後(少なくともこの国では)博覧会に限らず、こう国を挙げてとか国民総動員的な(表現がうまくない…どういえばいいのだろう)熱狂の渦?ということが起こり得ないのだろうなあ、と思うと経験できなかったことがとても残念に思います。万博の夢の跡が残る大阪という地に生まれついたこと、ことあるごとにエキスポランド太陽の塔などに触れるとともに万博のこと・「あの頃は…」的話を聞かされてきたこと、大阪花博がやぱり自分の中での記憶のブックマーク点になりえなかったことでその悔しさは増幅していくのです。良くも悪くも、自分に語ることのできる(誰もが共感できる)伝説を持っているっていいですよね。あと、岡田斗司夫の「銀色の未来は夢の中に消えて行き、現実の未来は白色となってやってきた」という話はちょっと共感してしまいました。たしかに、今でもつい近未来と聞くと銀色の世界が広がるような気がします。でも、この想像する近未来っていつまでも現実としてやってこないんですよね。そしてやってくる未来はいつも白色。そう、新幹線や新交通システムがいつまでも「新」であり続けるように。