「神様のメモ帳」／杉井光／メディアワークス（電撃文庫）

　ニート探偵の少女とニートたちに巻き込まれるニート予備軍、そこにいろいろなトラブルが大きな一つの渦に巻き込まれていく、そのときニートたちは…、という感じのお話。一種の安楽椅子探偵ものとか思ってもいいんでしょうかね。どうも、もともとの定義とも世間で言われているイメージとも、ここで使われているニートの意味とずれる感じだけど。ただ、こんなアクティブなニートいねぇ(笑)とか思いつつもとてもかっこよく見えてしまう描き方が不思議。ちょっと言い回しとかに癖がありそうですけど、まあ別に違和感感じるとかなく。後半メランコリー状態から最後切なくも人の温かみを感じさせることのできる、素直に面白く読める作品だったと。
　「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい？」でも、それを知ることでしか見えてこないものというのがあって、そしてそれは時に残酷で切なくて、でも少し温かいものだったりする、のです。そういうお話でした。

神様のメモ帳 (電撃文庫)

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