林奇苑茶行の「極品白牡丹」

 香港の下町、上環は前回宿泊地だったにもかかわらず全然歩けなかったので、今回ちょっと小雨の中、ぶらりと。そのときに立ち寄った老舗のお茶やさん『林奇苑茶行』です。

 奥からご主人がちょっと片言の日本語で「何のお茶が欲しいの?」と聞いてくれるので、今年の新茶で緑茶か白茶あたりを、とお願いすると、「今年の龍井茶があるけど、高すぎる割にはたいしたこと無い」と白牡丹茶を淹れてくれました。これがまたほんとにおいしかった。店自慢のお茶ということで、白茶というとよく言われるような草っぽい青臭さは無く、ほんのりとオレンジのような香りのする、初めて飲むような感覚にびっくり。なのに一番上質という「極品」種でも他の茶葉でもリーズナブル、ものすごく気に入ってしまいました。量り売りのお茶は、昔風の秤に載せられ、丁寧に封してくれます。すごく丁寧なお茶の扱いや、試飲中にやってくる地元の人の多さなどを見ていると、「ああ、また香港に来たときは、ぜひこのお茶を買いに来よう」と思うようになっていました。