旅先の本棚、病床の本棚、通勤途上の本棚 82〜

ハチミツとクローバー」(9)・(10)/羽海野チカ集英社(クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 9 (クイーンズコミックス) ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)
 完結してるのは知ってたけど、読む間が無くてというのとなんとなく読みたくなかったのでしばらく放置してた。たぶん続きが読めなくなるのが残念だったからじゃないかな。まあそれはさておき。
 特別にどうというでもなく、予感を外すことなくとても面白かったのだけど、なんていうか、片方向の恋愛図のような話と思っていたのだけど、最後まで読んだ後思ったのは、テーマは恋愛というより家族なのかと思った。まあ恋愛が成就すれば家族だわなあとか。恋愛がいいなとは別に思わなくなってしまった最近ですが、なんかやっぱり「家族っていいよね」とか。終わり方には賛否両論あったようですが、あの締め方はいい意味でスッキリしてたかと。個々人の持っていた恋愛という意味では違うかもしれないけど、心の中では皆が幸せになっていたと思うよ。
はてな年間100冊読書クラブ 082/100>


「レンズのむこう」/日坂水柯白泉社(ジェッツコミックス)

レンズのむこう (ジェッツコミックス)
 何この帯。"メガネの女の子は好きですか?"って! 好きに決まってるじゃないですか! メガネ最高! だめだ、もう、やられる、メガネに… …。 かゆい うま 
(以下、かなり妄想の世界に汚染されています。一般人はスルー推奨)
 冗談でないけどさておき。もともと好きだったんですけどね、メガネとその仕草。犬上すくねの「恋愛ディストーション*1」で、メガネ女子のメガネを外す行為に悶え苦しみ。でも、「涼宮ハルヒの憂鬱」で、メガネの再構成を忘れた長門有希に「してない方が可愛いと思うぞ」というキョンに殺意を覚えながらも、ある程度の譲歩を覚え(とりあえず『眼鏡かけてないほうが好きだよ派』)、「あれ、私って意外とメガネ属性低い?」とか思っていたのだけど。いや、そんなの全然違う。うん、わかった。ほら、有希の場合は目が見えないからメガネをしてるんじゃないじゃない? 飾りだったら無くてもいいんですよ! 違う、違うの。あくまで必要であるが故に。無いと困るの。人間の持つ機能の延長・融合、顔の一部。だからこそ、引かれるんですよ、横顔とかたまたましてなかったときの姿とかに(進化して→『メガネっ娘は心にメガネをかけているからメガネを外してもメガネっ娘だよ(心にメガネ派)』)。ってなんか昔似たようなことを書いたような気もするが気にするな私。
 というか、何このジョージアマックス並みにベタベタと甘々なこそばゆい話。SEXするときメガネを外すと相手の顔がよく見えないとかうんそれ私も考えたことある、そんなピンポイントで突いてこないで、エロっぽいけどエロくないのに悶え死ぬ。だんだん素で読めなくなってくる、これが著者言うところの「くねくねマンガ」か。いいなあ、登場人物、ういういしてて、なんだか見てはいけない二人だけの世界をのぞき見したような。もうなんか読みながらシチュエーションを想像してしまうとほんとダメ。えーと、こう、んでこう、こうだっけ?みたいな。妄想が広がって、より悶える。最近、こういう本ちょっと避けてたのにーもうぜんぜんだめだー。
 4月発刊だったんだって、なんでこんな本見逃してたんだろう。なんていうか、読んでてここちいいですよ、うん。もっと読ませろ。
 しかし、なんでメガネネタというだけでこんな変態的感想になってしまうんだろう…
_| ̄|○
はてな年間100冊読書クラブ 083/100>


下山事件(シモヤマ・ケース)」/森達也/新潮社(新潮文庫

下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)
 戦後最大の怪事件といわれる下山事件。著者は、当時を知るものを手がかりとし、事件の真相に近づこうとするテレビディレクター。ただ、この本は、事件を明らかにしようというストーリーより、この「下山事件を追及する」という病に感染し翻弄される人々の発症の様子を描いている、という方がわかりやすい。取材過程でのトラブルなどの(書名からすると)脇の話を克明に描写されていることで、本編とはかなり外れたドキュメントとなっている。これはある種興味深い。「下山事件」というテーマを取材する過程で起こった「事件」簿といった感。書籍としてはそれなりに読めたのだけど、逆に本題の「下山事件」が気になり、他の本「謀殺 下山事件 (新風舎文庫)」などを読みたくなったというのは、新たな感染症に巻き込まれた感もなきにしもあらず。
はてな年間100冊読書クラブ 084/100>

*1:第1巻isbn:4785919906〜第5巻現在続刊中