旅先の本棚、病床の本棚 その1
「切り裂きジャック・百年の孤独」/島田荘司/文藝春秋(文春文庫)
なるほどな、と思わず納得できる説明でおもしろかったという反面、後半にさしかかるぐらいからの名探偵らしき人間によるドタバタ騒ぎの展開は???となってしまった。基本的に島田荘司の本、特に御手洗潔シリーズを読んでいないので余計にそう思うのかもしれないけれど(あきらかに御手洗潔シリーズを意識しているよね、と思った)、なんだかユニークな見解がベタな解法で明らかになる展開は少しだけ期待はずれだったかな。でも、充分におもしろかったですけどね。
<はてな年間100冊読書クラブ 072/100>
「事象の地平」/川原泉/白泉社(白泉社文庫)
相変わらず「らしい」なぁ。ただ、なんとなく、普段マンガでなじんでいるからか、文章でネタを出されてしまうと「もったいない」と思ってしまうのはなぜだろう。でも、たぶんエッセイで読むのとコミックで読むのとは感じ方も違うだろうとは思うのですが。
<はてな年間100冊読書クラブ 073/100>
「二四〇九階の彼女」/西村悠/メディアワークス(電撃文庫)
何というか不思議な感覚。ラノベだけどだいぶファンタジー寄りSFという感じ。階層状の世界が塔になった世界を、一人と一匹が旅に出るという設定、でいいのかな。うーん、伝えようとしていることはなんとなくわかるんですが、いまいち世界観が掴みづらいからか、読み取りにくいんです。文体が拙く感じるのは、わざとなのか作者のデビュー作だからか、でもそれは悪い感じはしませんでした。基本的に全編にどこか救いようのない哀しさが漂うのですが、それでも灯火は消えないというような雰囲気。読後すぐは面白かったのかどうかも悩むようなところだったのですが、その後も意識に何か引っかかるような。とりあえず続編がでても読み続けようかなと思います。
<はてな年間100冊読書クラブ 074/100>
とりあえず、今日はここまで。