神戸岩茶荘の岩茶「不知春」

 取材の移動中に少し時間があったので立ち寄ってきた。JR三ノ宮駅北口からすぐのとこにある、中国茶のなかでも武威岩茶がメインに楽しめるお店。何でもこのお店では、陰陽五行と武威正岩茶には密接な関係があるという考えに基き、岩茶を五色に分類しているそうで、それぞれちゃんと効能も違うんだとか。


 本当は昼時だったのでランチに薬膳粥でもと思って行ったのだけど、ちゃんとしたお茶が飲みたくなったので蓋碗式のお茶を頼むことにした。で、お店に入ったときにマスクをしていたので「花粉症ですか?」と勧めてもらったのが、「《青の烏龍茶》不知春」というお茶。なんでも、春を待たず最初に茶摘みされる「まだ春を知らない」お茶という意味なのだとか。(同じ「不知春」という名前のお茶でも、逆に収穫時期が遅く、春を過ぎたころに芽吹いてくるので「春を知らない」お茶で不知春というお茶もあるらしい。まるっきり逆の意味でおもしろいな。)眼にいいとかで、ホントかなと思うけど、現地の人は1煎目の茶汁を目薬代わりにつかうこともあるのだとか。



 湯で温めた蓋碗に茶葉を入れると、見た感じ真っ黒で硬そうな茶葉からほのかに鼻にとおる香りが立ち、一度に茶葉がほぐれるのでなく、何煎も飲んでいくにつれだんだんと開いていくのが楽しい。普段自分が好んで飲むお茶がどちらかというと軽いモノが多いので、最初とても強く感じたけど、何度か湯を注ぎ飲みをしているとだんだんとさわやかな草のような、春の香りという感じになってきた。お店の人が言うには、15煎位は飲め、その茶殻をさらに煮出してアイスティーだとか料理などに使うことができるらしい。なんともしっかりとした力強いお茶でした。


 家でもゆっくり飲んでみたいと思い、ちゃんとお勧めのお茶を教えてもらおうと尋ねると、店長の人が体調から見てくれるということに。左右に動く指をみることで色がわかるのだとか。「あなたは白ですね」という言葉の後、性格から体調、体によい食べ物などいろいろ教えてもらえるのだけど、何か心当たりがあることをズバズバ言われ、まるで占いを聞いているかのよう。おもしろい体験でした。そうしてお勧めのお茶を買ってきたのだけど、またその話は次回に。