11月に読んだ本メモ、ノンフィクション&エッセイあたり

 長くなったので「続きを読む」で。

「世にも美しい数学入門」/藤原正彦小川洋子筑摩書房ちくまプリマー新書

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

 そうか、数学の公式というのは、役に立たないからこそ美しいのか(ちょっと違うか)。「博士の愛した数式」はやく文庫で出ないかなぁ。

「アジア太平洋のエポック」/立命館アジア太平洋研究センター・坂本和一編/法律文化社

アジア太平洋のエポック

アジア太平洋のエポック

 APU・立命館アジア太平洋大学設立記念シンポジウムの記録集。アジア太平洋地域というくくりのなんと広い事か、という感を改めて思った。実際、このシンポジウムの中で「アジア太平洋」という括りは多種多様に語られ、ともすれば収拾が付いていないようにも思える。現在のAPUも「アジア太平洋地域から世界へ向けて発信」という形で評価を受けているように思うのだけど(というか、実際のところアジア太平洋地域(と呼ばれるエリア)だけに目を向けていても(いろいろな意味で)成り立たないのでは?とも思うが)、発行より7年がたち、現在同様のテーマで語られたときに、果たして「アジア太平洋地域」という枠組みを確立できているのだろうかという疑問はぬぐえないかも。とりあえず一度この大学を生で見てみるべきかなとは思った。

「ミステリーを科学したら」/由良三郎/文藝春秋(文春文庫)

ミステリーを科学したら (文春文庫)

ミステリーを科学したら (文春文庫)

 ミステリーを本気で現実に即した形で語られても、それが面白くなくなってしまえば本末転倒な気がすると思った。あ、でも、この本自体は結構興味深く読めました。

「墜落現場 遺された人たち _御巣鷹山日航123便の真実」/飯塚 訓/講談社(+α文庫)

墜落現場 遺された人たち (講談社+α文庫)

墜落現場 遺された人たち (講談社+α文庫)

 時間を置いているからこそ語ることのできている話なのに、時が経ったことが忘却させてくれないということはなんと残酷なことだろう。

「世界一周!大陸横断鉄道の旅」/櫻井 寛/PHP研究所PHP新書

世界一周!大陸横断鉄道の旅 (PHP新書)

世界一周!大陸横断鉄道の旅 (PHP新書)

 面白かったけれど、行ってみたい・乗ってみたいところはなかったなぁ。


「安全と安心の科学」/村上陽一郎集英社集英社新書

安全と安心の科学 (集英社新書)

安全と安心の科学 (集英社新書)

 「安全」と「安心」という視点の違いが明確に語られていることが興味深かった。100%安全でも、それはイコール安心というものではないということ、具体例として挙げられていた、「新潟県中越地震で脱線した新幹線を大事故だ安全神話の崩壊だとマスコミは報じたが、しかるべき安全対策のおかげであれ以上の大惨事にはならなかったのだということももっと報じられてしかるべきだ」という論が目を引いた。


「なぜ福知山線脱線事故は起こったのか」/川島令三草思社

なぜ福知山線脱線事故は起こったのか

なぜ福知山線脱線事故は起こったのか

 結構早くに発売された本だけど、それなりに興味深い視点を提供してくれたのはポイントか。